34.11月の中頃くらい 気圧で苦しい日

1.

 死んだ人の愚痴をよく聞きます。

 あの人はどうこうでだめだったとか、内容はよく覚えていないのだけれど、いろんなところで僕は死んだ人の愚痴を聞かされます。死んだ人を知らない人にだから話せるってことなんですかね。カウンセリングと同じようなものだ。

 そうそう、カウンセリングなんですよね。僕がそういう人間なだけで性格が悪いのかもしれないけれど、嫌いな人が死んだらニッコリしちゃうと思うんです。金正日が死んだときの横田さんはニコニコだったみたいに、人間の本質ってそういうものですよね。嫌いなものは嫌いだし、好きなものは嫌いになりきれない。

 死んだやつのことなんて愚痴る必要はないだろうに愚痴ってしまうのは死んでしまったことに寂しさを感じているからで、仮に愚痴が本物だったとしても根底にはそれがあるような気がする。

 生きていても起こる大概のことはよくないことで、本当に毎日苦しいし泣き出しそうになるけれど、接する相手が生きていることだけはいいことですよね。教科書とか歴史の本に載っている偉人とはわかり合えないけれど、生きている人とはわかり合えるんです。これは素晴らしいことじゃあないですか。万歳三唱。目の前を横切る青い鳥。あぁ人生って素敵。

 

2.

 一日中そんなこと書いてると頭がおかしくなります。

 人間にろくなやつはいないしわかり合えるほど人間個々の知能は高くないこともわからないからお前らはわかり合えないんだ。吐き気がする。髪の毛を一歩ずつ抜いてお前の家まで線を引いてやろうか。

 だいたい、この世がすばらしかったら僕みたいな人間が出てくるはずがない。みんなハッピーライフハッピーホームでドキドキワクワクときめき人生を歩んで、歪んでしまった規格外品は捨てられ、あれ、それじゃあ、社会がどうあっても僕は救われない? 救われないの? おかしくないですか? 苦しみの先に解脱があるって、意地汚いホトケサマが言ってたもん!

 

3.

 自分が気楽に生きられる人間だったとして、じゃあどういう条件ならそうなれるのか。

 たぶん流れる血がワインで、石ころを拾えばパンになり、行く先々で感謝される、そんな人間なら気楽に生きられると思います。

 これっておそらくあの時代の人たちが飢えに苦しんでいたからワインとパンになったのであって、現代に置き換えるなら家と金みたいなもんですよね。そりゃあそんなもんばらまきながら歩けば人に感謝はされ、自分は楽観的な幸せな満たされ、たとえ金をもっとよこさなかったからと磔にされても、こいつらオレが死んだら生きられへんのやぞって、せせら笑いながら死ねますよね。人は生まれが9割。これは間違いのないことです。

 えっ、いまなら改宗するとお金と住処がもらえるんですか? 感動しました、僕も明日から唯一神の教徒になります! 神様なんて腸ぶちまけてウインナーにでもされてしまえ! ハレルヤ!