7.4月の中頃くらい ふらふらする日

1.

 大学時代は小説書いたりしてました。

ここ読んでる人はたぶん知り合いばかりだろうし、わざわざ説明する必要もない、というかこれ一応日記だから宣言する必要もないですけど。けど。

社会人になったらさっぱり書かなくなりました。

時間がなくなったからっていうのはたぶん言い訳で、単純に書けなくなりました。

小説書ける人って2種類に大別できると思うんですよ。こう言うと頭の悪い自己啓発本とか演説みたいで嫌なんですけど、考えてないと意外と簡単に出てきちゃう言葉ですねこれ。

1種目が想像力が豊かな人。ラノベとか書いてる人はこれじゃない? 単純に空想力と発想力がある人で羨ましいなあと思います。こればっかりは才能だよ才能。持たざる人々は逆立ちしたって出てこないやつ。出てきたとしても、たぶん角砂糖くらいの大きさのやつ。こいつらは今日だらだら語りたい人たちではないので、割愛します。

2種目が既存の話を繋げてほんのり自分のオリジナル、テーマなんかを織り交ぜる人。大概はこっちなんじゃないかなあと思います。

こっちはオマージュなんかがうまい人なら凄くいい作品が書けるだろうし、繋ぎ合わせる才能がある人も元とは別物のいい作品が書けるでしょう。

たぶん自分もこっちに当てはまる人だったんだけど、悲しいことに才能は全くなく、文才も乏しく、発想力もテーマもオリジナリティもない人間なので卒業と同時に書けなくなりました、おわり。

 

2.

いやむしろよく在学期間中堪えたなあくらいの感想なんだよ。繋げる才能はなく、発想力もなく、でも悲しいことに言いたいことはあり、しかしながら口下手で人間関係も苦手、そんなこんなで小説に流れ着いてはみたもののやっぱり下手くそでしたから打つ手がない。

それでもなんとか書けてたのはかすかに胸のうちにあった恨みつらみ、人への不信感、この先への諦念感、そんな自分への自虐と慰めみたいな、それはそれは醜く澱んだヘドロたちのおかげです。

物心ついた頃から溜まり続けるヘドロたちをなんとか浄化してきれいになって生きていこう! 人生は素晴らしい! 空気はおいしいし明日は輝いている!

みたいになれるんじゃないかと、4年間必死に泥を掬い続けたのですが、そいつらは減るどころか増えに増え、しかも新しく積もるのではなく元あるヘドロが分裂して増えるのだからどうしようもありませんでした。

つまるところ、出せるものがなくなったんです。

 

3.

ひたすら同じ泥を出す人間として同じ名字の作家と、なんちゃらユウスケみたいな人を知っているのですが、あれってなんで作家やれるの? あと歌手だとコブクロとか。やっぱり熱心なファンがいるのかなあ。おれにもカリスマ性があって信者がどかっと入ってきたりしないかなあ……。

だってあれってマックみたいなもんじゃないですか。新しいハンバーガーできました! お肉使ってます! トマトも入れたよ! 食べてね!

って、それ結局どんなに工夫してもハンバーガーなんですよ。毎日食べるか? おれは嫌だね。

だからあれです、音楽性の違いで小説が書けなくなったみたいな。おれは同じものを書きたくはない! なら新しいものを出せ! 材料は増えないぞ!

これ、自分がどれだけ薄っぺらくて空っぽな頭をしてるか宣言するのと同義でめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど、良く言えば充電期間。そう充電期間!

満タンになるのが早いか漏電して爆発するのが先なのかは自分にもわかりません。ケラケラ。