46.6月のはじめくらい 爽やかな空の日

1.

 書くことないなあと悶々していたらGWのことをお題としてもらいました。多分三週間くらい前に。今? 6月です。ちょうど一ヶ月前がGWって思うと、みんなよく生きてるなあと思います。えらいえらい。

 

2.

 実際のところシフト制で働いている労働奴隷の身には連休なんてものはありませんでした。電車がなんとなく空いていてGWかあとは思ったけれども、ないならないであまり思うところがない。

 ちゃんと休んでた人って、たとえばその足で観光地に行ったりすると思うのだけれど、周りの人をどんな目で見てるんですか?

「あっ、この人もGWで休んでるのかな」

「おっ、この人は普段奴隷の証として社員証を首からぶら下げてそうな顔をしてるな」

「この顔は働いてなさそうだな」

とか、いろいろ思ったりするんですか?

ライターとして(限定的ではあるけれど)読者の反応を見てると、意外とみなさんろくでもない人間ですよね。誰かのことを恨んでたり浮気してたり不倫してたり。そういう人が出てくるたびにこの国は道徳観に欠如した発展途上国なんだなあと面白くなってクツクツ笑いが止まらなくなる。上から目線で笑っているのではなくて、どうしようもない人間が、どうしようもない国にこんなにもたくさん生きてることが面白くて笑みが溢れるのです。自分が例外ってわけではないよ。冷笑系でなく、純粋にどうしようもなさに笑ってしまう。喜劇を見てるみたいな。

 

3.

 関係ないけれど、ふとしたことからうちの会社はボーナスが三万円しか出ないことを知りました。ボーナスの概念壊れる。はやく転職、いや解脱せねばならぬ。メロスは激怒して他界した。ガンジーは助走をつける前に足をくじいた。そんな世の中で真面目に生きるほうがつらいんだから、みんなお薬を飲んで頑張ろう!

 昨日、会社の同僚が昼休みにODしてるところに出会いました。木の下のベンチでブロンを狂ったようにかき込む彼女は妙に画になっていて、呆けたように眺めていたらこちらに気がついたらしく、手招きをされた。なんとも言えない顔を貼り付けながら横に座ったら「言わないでくださいね」と口止め料かのごとくブロンを渡されて、飲まないと離してもらえなそうだったので彼女にならってガブガブと飲んだ。糖衣がやけに甘ったるく口の中に残って気持ち悪かったし、その後はクラクラして仕事にならなかったし、彼女は上司のデスクの前で死にたいんですと叫んで早退していった。けれども今日出社したら何でもない顔で始末書を書いていて、なんでもないような会話をして、なんにもなく退社していく。ここまでめちゃくちゃになろうとは思わないけれども、人間なんて高尚なものでもないし、そうやって生きていきたいよね。死にたくはないなあ。