40.12月の終わりくらい 初めてシフトを提出した日

1.

 なるべく土日を休みにして人様と大差ない生活をしたいなあと思っています。

 こう書いてわかったんだけれど、どうにも僕は人との同調性というか一致性というか、とにかく人からズレることを嫌うんですよね。だけれども心はそれを嫌ってズレたことをしたがり、それを本能が嫌うというひどい自己矛盾が常に発生している。自分の中に何人か自分が住んでいるような一貫性のなさ。ため息も出ない。

 

2.

 もう年末ですね。

 先月の終わりくらいに最寄りの踏切でまた人身事故があって、それから少しの間そこを通るのを避けていたのだけど、この間通ったら花が供えてあった。たくさんではなくて二、三人が供えてくれたんだろうなとわかるような小さな花束が積んであって、事故で死ぬことは知らない人にまで小さな傷を残していくものなんだろうと思ったのですが、昨日ふと見ると花は枯れて新しく供えられる気配もない。

 知らない人が死んだって、みんなすぐに忘れちゃうんですよね。いやそれにしたって家族が供えてあげてもいいんじゃないと思うんですが、世間は年末ですからね。来年に向けて生きている人はいろんなことをしなければならない。死んだ人は死んだ人で愉快にやっているといいよね。

 

3.

 シフトになったら、もしくは今度の休みが来たら、布団と枕を買いたい。

 話したことがあったかどうなのかは覚えていませんが、僕の生活環境はそれはもう酷いもので、外面だけはよくしようと生きている、つまり貧乏人が見栄を貼るようなことをしているので、中身は空っぽ廃れた人生、部屋は荒れ放題といった有様。

 僕の部屋の真下は半地下の駐車場になっているからなのか、それとも日の光がまったく入らないからなのかわからないけれど馬鹿みたいに冷える。毎朝起きる度にくしゃみが出るし鼻は垂れている。というか寒すぎて数時間おきに起きてしまうからゆっくりと眠れない。

 なぜかといえば暖を取る手段が布団乾燥機しかないこともそうなのですが、一番は布団がないことだと思う。

 先に話した事情のせいなのか、部屋の湿気がすごくてすぐに布団にカビが生えてしまうのだよね。干せばいいのかもしれないけれど、家の構造と汚さ故にそれも難しい(だから布団乾燥機を使っていた)。すぐに布団が駄目になるから布団を買うことも嫌になって、ここ何年かはずっと床にペラペラで巻いたりできるマットレスを敷いているのだけど、こんなもの床に直で寝ているのと変わらない。枕はいつの間にかなくなったのでぬいぐるみを枕代わりにしている。

 わかりますか、この虚しさが。毎日起きるのは辛く眠るのは難しい。生きることに向いていない。体が死にたがっている。それもこれも布団がないのが悪い。ふわふわの布団の上ですやすやと眠れる日々を追い求めているんだ。本当に、布団をください。